最高裁判所第三小法廷 昭和38(オ)246 判決
主 文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人らの負担とする。
理 由
上告代理人海野普吉、同竹下甫の上告理由第一点について。
原判決(およびその訂正引用する第一審判決を含む。以下同じ)挙示の証拠によ
れば、原判決の認定した事実を肯認することができる。
そして、右認定した事実関係によると、上告人A1において訴外Dから本件店舖
の賃借権を譲り受けて昭和三五年一〇月一日以降主として本件店舖において真実の
経営者として菓子販売店を経営し占有していると同時に、同上告人は、その店員に
対し、本件店舖の経営を上告人A2の名義をもつてするといつて、そのように振舞
うよう命令し、上告人A2もまた週に一回程度本件店舖に来て経営者として振舞い
店員も同上告人を経営者としてその指示に従つていたというのであるから、同上告
人についても本件店舖について昭和三五年一〇月一日以降占有使用していることを
認めうるとした原判決の判断は、当審も正当として是認しえないものでもない。�
原判決には、所論の違法があるとはいいがたく、この点の所論は採用しがたい。�
なお、所論中には、本訴請求のうち金員の支払を求める部分は不当利得の返還請
求であるから、両上告人らの負担部分などを明治しない原判決は理由不備であると
するものがあるが、上告理由第三点において判示するように、右金員請求は被上告
人において本件土地の不法占有による賃料相当額以下の損害金の支払を求めている
ものと解すべきであるので、この点の論旨は、結局、前提を欠き、失当として排斥
を免れない。
同第二点について。
かりに本件訴訟物の価額について第一審受訴裁判所のした訴願の算定が所論のご
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とく妥当を欠きまたは違法なものであつたとしても、これを看過してされた訴訟手
続の効力を無効と解することはできない。�
所論は、結局、独自の見解として排斥を免れない。�
同第三点について。
一件記録によると、原審の第五回口頭弁論期日(昭和三七年一〇月一七日)にお
いて、被上告人(原告・被控訴人)は昭和三七年一〇月一三日付(同月一四日受付)
「請求の趣旨変更の申立」書(ただし、損害金月四万四千円とあるのを月三万円と
訂正した)に基づいてこれを陳述しており、上告人らもこれにとくに異義を述べて
ないこと、右請求の趣旨の訂正書によると、訂正の理由として「本件訴訟の目的た
る家屋の実測坪数並に家賃相当損害金の額が……相違」していることが判明した旨
記載されていることおよび前記口頭弁論期日においても損害金は従前どおり月三万
円の割合で請求する旨口頭で改めて述べていることその他訴訟の経緯にかんがみれ
ば、本件訴訟における金員の支払請求は、結局、上告人両名に対し被上告人の本件
店舖の所有権の侵害に対する不法行為に基づく損害賠償義務の履行を求める趣旨で
あると解するのが相当である。�
したがつて、原判決が、右金員の支払請求を共同不法占有による賃料相当損害金
の支払請求としてこれを認容したことは、民訴法一八六条に違反するものとはいい
えない。�
原判決には所論のような違法があるとは断じがく、所論は、結局失当として排斥
を免れない。よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官全
員の一致で、主文のとおり判決する。
最高裁判所第三小法廷
裁判長裁判官 五 鬼 上 堅 磐
裁判官 石 坂 修 一
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裁判官 横 田 正 俊
裁判官 柏 原 語 六
裁判官 田 中 二 郎
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